法人の会計ソフトは、製品の good / bad で決まりません。決まるのは「何人がログインするか」「経理を誰がやるか」「部門や拠点で分けて集計する必要があるか」の3点です。この3つを先に決めると、freee・マネーフォワード クラウド会計・弥生会計 Next のどれを見に行くべきかが自動的に絞られ、同じ製品の中でもどのプランかまで確定します。この記事では、公式の料金・プラン比較表を2026年8月13日に取り直し、人数が増えたときに実際いくら増えるのかまで含めて選び方を組み立てます。
※当記事はアフィリエイト広告を利用しています。リンクからの登録・契約で当サイトに報酬が発生する場合があります。
料金確認日: 2026-08-13(freee・マネーフォワード・弥生の各公式ページを参照。表記はすべて税抜。プラン・価格・キャンペーンは変更されるため、申込前に必ず公式で再確認してください)
※本記事は会計ソフトの選定に関する一般情報です。仕訳の処理方法や消費税・法人税の取扱いは事業内容により異なります。個別の判断は顧問税理士または所轄税務署へご確認ください。
この記事で分かること
- 法人が会計ソフトを選ぶときに、製品名より先に決めるべき3つの条件
- 従業員数・経理体制の4類型ごとに、どの製品のどのプランが候補になるか
- 人数が増えたときに増える金額(ユーザー追加・経費精算・従量課金)の実額
- freee・マネーフォワード・弥生それぞれで「上のプランに上げないと届かない機能」
- 経理担当が複数名で同時に入力する場合に、クラウド以外に残っている選択肢
- 申し込む直前に確認すべき5項目と、3社いずれも向かないケース
製品を横並びで見たい場合はクラウド会計ソフト比較【中小企業】、2社に絞ってからの指名比較はfreeeとマネーフォワードどっちがいい【2026】・freeeと弥生の違い・マネーフォワードと弥生の違いが対応する記事です。法人ではなく個人事業主として選ぶ場合は個人事業主向け会計ソフト比較を参照してください。
法人の会計ソフト選びで先に決める3つのこと
比較サイトを何本読んでも決まらない原因は、比較の入口が「機能の多さ」になっているからです。法人向けクラウド会計は、記帳・銀行連携・決算書作成といった基本部分でほぼ差がつきません。差がつくのは、次の3点です。
1. ログインする人数(アカウント数)
会計ソフトの料金は、人数で階段状に上がります。しかも「3名まで無料、4名目から○円」という形なので、4人目が発生した瞬間に月額が跳ねるか、そもそも追加できずプラン変更になるかのどちらかです。ここを最初に数えます。数えるのは従業員数ではなく、会計ソフトの画面を開く人の数です(経費精算だけ使う人は別枠で数えます)。
2. 経理を誰がやるか(経理体制)
社長本人か、パート・兼務の担当者か、経理専任が1名いるか、複数名で分担しているか。ここで必要なサポートが変わります。簿記に不慣れな人が入力するなら電話サポートや仕訳相談が効きますが、これは上位プランにしか付いていません。逆に顧問税理士が入力ルールを決めてくれる体制なら、最下位プランでも回ります。
3. 部門・拠点で分けて集計するか
支店や現場、事業部ごとに損益を見たいなら部門管理が必要です。ここは製品差が大きく、プランによって「部門2つまで」「1階層まで」といった上限があります。将来的に部門別で見る予定があるなら、最初からこの条件で絞ったほうが乗り換えの手間を避けられます。
この3点が決まらないうちは、料金表を見ても比較できません。決まっていれば、次の早見表でほぼ候補が1〜2個に絞れます。
従業員数・経理体制別の早見表
以下は、2026年8月13日時点の公式料金(税抜・年払い/年契約)をもとにした候補の絞り込みです。金額は基本料金のみで、ユーザー追加分は含みません。
| 従業員数の目安 | 経理体制 | 第一候補 | 第二候補 | 判断の分かれ目 |
|---|---|---|---|---|
| 社長1名(役員のみ) | 社長が自分で記帳 | マネーフォワード ひとり法人プラン 29,760円/年 | freee ひとり法人 35,760円/年 | 年間の仕訳が500件を超えるか |
| 2〜5名 | 社長+パートで分担・経理専任なし | 弥生会計 Next エントリー 34,800円/年 | freee スターター 65,760円/年 | 電話サポート・仕訳相談が必要か |
| 5〜20名 | 経理担当1名(兼務含む)+経費精算あり | 弥生会計 Next ベーシック 50,400円/年 | freee スターター 65,760円/年 | 経費精算する人が何名か |
| 10〜30名 | 経理1名+消費税の申告も自社で | マネーフォワード ビジネスプラン 77,760円/年 | freee スタンダード 107,760円/年 | 消費税申告書を自社で作るか |
| 30〜50名 | 経理2名以上・部門別に集計 | マネーフォワード ビジネスプラン 77,760円/年 | 弥生会計 Next ベーシックプラス 84,000円/年 | 部門の階層が2階層で足りるか |
| 50名以上 | 経理チーム・内部統制や上場準備 | マネーフォワード クラウド会計Plus(要見積もり) | freee のエンタープライズ向け区分(要見積もり) | 仕訳の承認フローと権限管理が要るか |
| 人数によらず | 経理複数名が同時に入力・拠点が分かれている | 弥生会計 26 ネットワーク 3ライセンス 288,000円〜 | 各社クラウドのユーザー追加 | 買い切り型で持つか、毎年払うか |
比較表の各公式ページはこちらです(料金・プランは申込画面が正)。
- freee公式はこちら:freee公式はこちら
- マネーフォワード クラウド会計公式はこちら:マネーフォワード公式はこちら
- 弥生会計 Next公式はこちら:弥生会計Next公式はこちら
この表の根拠になっている「人数で何が変わるのか」を、次の章で金額に分解します。
人数で料金が変わる仕組み(基本料金・ユーザー追加・従量課金)
法人向けの会計ソフトの支払額は、次の3層でできています。基本料金だけを比べると、判断を間違えます。
| 費用の層 | freee(法人) | マネーフォワード クラウド会計 | 弥生会計 Next |
|---|---|---|---|
| 基本料金に含まれる人数 | スターター・スタンダード 3人/ひとり法人 1人 | ひとり法人 1名/スモールビジネス 3名/ビジネス 3名 | 会計3名・請求3名(全プラン共通) |
| ユーザー追加の単価 | 年払い 1人300円/月・月払い 1人400円/月(招待人数上限なし)/ひとり法人は年払い1,000円・月払い1,300円で最大2人まで | ビジネスプランのみ 4名以上から300円/名。ひとり法人・スモールビジネスは追加不可 | 会計・請求は4名以上から300円/名、経費精算は400円/名 |
| 追加が無料になる枠 | 請求書・経費精算のみ使う「一般従業員相当」は0円・人数上限なし | 記載なし(アカウント数で管理) | 経費精算はベーシック3名・ベーシックプラス5名まで無料 |
| 使った分だけの従量課金 | 経費精算 1人300円/月、受発注書類の送付 1件95円(いずれもスターター・スタンダード。ひとり法人は従量課金なし) | AI-OCR はひとり法人30件/月・スモールビジネス60件/月が上限、ビジネスは月101件以上が20円/件 | 従量課金の記載はなし(ユーザー追加のみ) |
ここで最も見落とされやすいのが、マネーフォワードのスモールビジネスプランは「アカウントの追加」が「×」という点です(公式のプラン詳細表の表記)。freee や弥生は3名を超えても1名あたり300円/月で足せますが、マネーフォワードのスモールビジネスは3名で打ち止めなので、4人目が必要になった時点でビジネスプラン(77,760円/年)へ上げる以外の手段がありません。年24,000円の差が一気に発生します。
一方で freee は、請求書や経費精算だけを使う「一般従業員相当」の権限が0円・人数上限なしです。営業が請求書を起票し、現場が経費を申請するだけなら、人数が増えても基本料金は動きません(経費精算を実際に申請・承認した人だけ1人300円/月の従量課金がかかります)。
弥生会計 Next は、全プランで会計3名・請求3名までが無料という並び方です。エントリープラン(34,800円/年)でも3名がログインできるため、「3名で回す・電話サポートは要らない」という条件では最も安く収まります。
freee を選ぶ条件

freee 会計の法人向け料金プラン比較表。メンバー数・メンバー追加単価・従量課金・サポートが1枚で並んでいます。公式サイトに掲載されている表で、契約後の管理画面ではありません(2026年8月13日確認)。
freee が向くのは、簿記の知識がない人が入力する体制です。取引ベースで入力を進める設計なので、借方・貸方を意識せずに月次を回せます。加えて、法人向けは3プランの差がはっきりしています。
| 項目 | ひとり法人 | スターター | スタンダード |
|---|---|---|---|
| 年払い | 2,980円/月(35,760円/年) | 5,480円/月(65,760円/年)+従量課金 | 8,980円/月(107,760円/年)+従量課金 |
| 月払い | 3,980円/月 | 7,280円/月+従量課金 | 11,980円/月+従量課金 |
| メンバー数 | 1人(追加は1,000円/月・最大2人) | 3人(追加300円/月・上限なし) | 3人(追加300円/月・上限なし) |
| 請求書の一括作成・一括送付 | × | ○ | ○ |
| 経費精算 | × | ○(承認1段階まで) | ○(承認1段階まで) |
| 入出金管理 | △(入金・支払管理レポートなし) | ○ | ○ |
| 経営分析 | 損益/現預金/資金繰りレポートのみ | +入金・支払管理、収益/費用、ダッシュボード | +カスタムレポート(クロス集計) |
| 電話サポート | × | ○ | ○ |
※上表は公式の料金プラン比較表(2026年8月13日確認)の記号をそのまま読み取ったものです。
判断の要点は3つです。
ひとり法人プランは「記帳特化」です。請求書の一括送付も経費精算もなく、電話サポートも付きません。役員1名で、請求書は月数枚を手作業、経費精算は不要という条件でのみ成立します。人を雇う予定があるなら、最初からスターター以上を見たほうが移行の手間が減ります。
スターターに電話サポートが付くのが、freee を選ぶ実務的な理由になります。公式ページでも「電話対応含むフルサポート付き」と明記されています。初めて経理を立ち上げる法人で、社長やパートが自力で入力するなら、この1点でスターターが本命になります。
スタンダードの上乗せ分はレポートです。勘定科目・タグ・年月を軸にしたカスタムレポート(クロス集計)が付きます。月次の数字を経営会議で切り口を変えて見る段階まで来ていないなら、スターターとの差額 42,000円/年(107,760円−65,760円)は先送りできます。
なお freee の料金ページは、「新設法人向け」「中小企業向け(既存の経理業務を効率化)」「エンタープライズ企業向け(決算の早期化・内部統制)」の企業フェーズ3区分でページが分かれています。上記の3プランは新設法人向けの並びです。既存の経理体制がある中堅企業は別ページの上位プランが対象になるため、自社のフェーズと違うページの価格で見積もらないことが重要です。
操作画面のイメージを先に見たい場合はfreee会計の使い方、弥生と直接比べたい場合はfreeeと弥生の違いを参照してください。
マネーフォワード クラウド会計 を選ぶ条件

マネーフォワード クラウド会計の「プラン詳細」。アカウント数・アカウントの追加可否・部門登録数・消費税申告書の作成可否が並びます。公式サイトに掲載されている表で、契約後の管理画面ではありません(2026年8月13日確認)。
マネーフォワードが向くのは、会計以外のバックオフィスも同じ料金の中で使いたい場合です。基本料金に会計・請求書発行・請求書受領・経費精算・給与計算・勤怠管理・社会保険・年末調整・マイナンバー・労務人事管理・電子契約・デジタル保存の12サービスが含まれると公式に記載されています。給与計算や勤怠を別サービスで契約している法人なら、まとめたときの総額で比べる価値があります。
ただしプランの境目が、他社と違うところに引かれています。
| 項目 | ひとり法人 | スモールビジネス | ビジネス |
|---|---|---|---|
| 年払い | 2,480円/月(29,760円/年) | 4,480円/月(53,760円/年) | 6,480円/月(77,760円/年) |
| 月払い | 3,980円/月 | 5,980円/月 | 7,980円/月 |
| アカウント数 | 1名 | 3名 | 3名(4名以上から300円/名) |
| アカウントの追加 | × | × | ○ |
| 部門登録 / 部門階層 | 2部門まで / 1階層 | 2部門まで / 1階層 | 無制限 / 2階層 |
| 振込FBデータの作成 | × | × | ○ |
| 帳簿残高と口座残高の突合 | × | × | ○ |
| AI-OCRから入力 | 上限30件/月 | 上限60件/月 | 月101件以上20円/件 |
| 電子帳簿保存法(電子取引・書類保存) | ○ | ○ | ○ |
| 電子帳簿保存法(優良電子帳簿) | × | × | ○ |
| 消費税申告書の作成 | × | × | ○ |
| 決算書の作成 | ○ | ○ | ○ |
※上表は公式の「プラン詳細」(2026年8月13日確認)の表記をそのまま読み取ったものです。
消費税申告書の作成がビジネスプランのみという点は、法人の選定で決定的に効きます。課税事業者で消費税の申告を自社で作るつもりなら、スモールビジネス(53,760円/年)では要件を満たしません。顧問税理士が申告書を作る体制なら、スモールビジネスでも運用できます。どちらの体制なのかを税理士に確認してからプランを決めるのが正解です。
アカウント追加が「×」の制約も、成長中の法人には重い条件です。3名で足りるかを、1年後の姿で見積もってください。
ひとり法人プランには2つの前提があります。公式の注記によれば、管理コンソールのユーザー画面に登録されている人数が士業アカウントを除いて1名の場合に限り契約可能で、さらに1会計年度で登録できる仕訳数が500件までです。500件は月あたり約41件で、銀行明細とカード明細を自動取込するとすぐ到達する水準です。取引件数が多い法人は、この上限で選択肢から外れます。
51名以上の規模・内部統制・上場準備に入る場合は、マネーフォワード クラウド会計Plusが対象製品になります。仕訳の申請・承認機能と権限設定で内部統制に対応し、履歴が残るため監査対応がしやすいと公式に説明されています。料金は公開されておらず、無料見積もりでの案内になります。
なお2026年8月13日時点で、法人限定の年払いキャンペーン(10月31日まで、最大85,536円分のAmazonギフトカード還元)が掲示されていました。キャンペーン価格は常態ではありません。2年目以降に払う通常価格で判断してください。
操作画面のイメージはマネーフォワード クラウド会計の使い方、freee との直接比較はfreeeとマネーフォワードどっちがいい【2026】にまとめています。
弥生会計 Next を選ぶ条件

弥生会計 Next の料金プラン。エントリー・ベーシック・ベーシックプラスで、機能・サポート・ユーザー数の3ブロックがそれぞれ並びます。グレーの「−」が、そのプランでは使えない項目です。公式サイトに掲載されている表で、契約後の管理画面ではありません(2026年8月13日確認)。
弥生が向くのは、顧問税理士が弥生前提の場合と、仕訳の形で確認したい場合です。加えて、法人の実務で重要な機能が最下位プランにも入っている点が、3社の中で際立っています。
| 項目 | エントリー | ベーシック | ベーシックプラス |
|---|---|---|---|
| 年契約 | 34,800円/年(月あたり2,900円) | 50,400円/年(月あたり4,200円) | 84,000円/年(月あたり7,000円) |
| 月契約 | 3,480円/月 | 5,040円/月 | 8,400円/月 |
| 会計機能のユーザー | 3名まで(4名以上300円/名) | 3名まで(同) | 3名まで(同) |
| 経費精算のユーザー | − | 3名まで(4名以上400円/名) | 5名まで(6名以上400円/名) |
| 部門管理(10階層まで) | − | ○ | ○ |
| 決算書一式(BS・PL・製造原価報告書・注記表・株主資本等変動計算書) | ○ | ○ | ○ |
| OCR(AIによる証憑自動読み取り) | ○ | ○ | ○ |
| 会計事務所とのデータ共有 | ○ | ○ | ○ |
| 有人メール/有人チャット | − | ○ | ○ |
| 導入・運用支援 | − | ○ | ○ |
| 電話サポート・仕訳相談 | − | − | ○ |
※上表は公式のプラン詳細(2026年8月13日確認)の表記をそのまま読み取ったものです。
読み取れる要点は3つです。
エントリー(34,800円/年)で落ちるのは、部門管理・経費精算・有人サポートだけです。決算書一式の作成、OCRでの証憑読み取り、金融機関・カード連携、会計事務所とのデータ共有、達人シリーズとの連携は最下位プランでも使えます。「3名以内・部門は分けない・質問はFAQとチャットボットで足りる」という条件なら、3社の中で最も安く法人の経理が成立します。
電話サポートと仕訳相談はベーシックプラス(84,000円/年)だけです。ベーシック(50,400円/年)にも付きません。ここは freee と設計が逆で、freee はスターター(65,760円/年)から電話が付きます。電話サポートが必須条件なら、freee スターターのほうが安いという結論になります。
部門管理は10階層まで作成できます(ベーシック以上)。マネーフォワードのビジネスプランが2階層までなので、部門を深い階層で持つ会社では弥生が有利です。逆に部門数そのものを増やしたいならマネーフォワードのビジネスプランが無制限です。
無料体験は最大2か月あり、ベーシックプラス相当の機能を試せますが、決算書の作成・出力は利用できず、電話サポートと仕訳相談も対象外と公式に明記されています。体験で確認できるのは入力と連携までである点を織り込んでおいてください。
弥生の製品はクラウドとデスクトップの両系統があります。どちらを選ぶかで迷った場合は弥生会計 Next と弥生会計 オンラインの違いを参照してください(法人向けの「弥生会計 オンライン」は新規申し込みが終了しています)。
同時に入力する人が多い・拠点が分かれている場合

弥生シリーズ価格表のネットワーク製品。弥生会計 26 ネットワークは3〜20ライセンスで価格が設定されています(メーカー希望小売価格・税抜。購入は問い合わせ)。公式サイトの価格表を2026年8月13日に確認しました。
経理が3名以上いて同時に入力する、あるいは本社と現場で入力を分けるという条件になると、クラウドのユーザー追加だけでは判断できなくなります。買い切り型のネットワーク製品という選択肢が残っているためです。
| 選択肢 | 初期費用 | 継続費用の考え方 | 向く条件 |
|---|---|---|---|
| クラウドのユーザー追加(3社共通) | 0円 | 1名あたり300〜400円/月が毎月加算 | 人数が変動する・在宅や外出先から入る |
| 弥生会計 26 スタンダード / プロフェッショナル | 50,000円 / 88,000円 | 年間のサポートプラン費用(トータルプランは83,650円 / 135,800円) | 1〜2名が同じPCで入力する |
| 弥生会計 26 プロフェッショナル 2ユーザー | 115,500円 | 同上(トータルプラン179,250円) | 2名が同時に入力する |
| 弥生会計 26 ネットワーク(SQL Serverなし) | 3ライセンス288,000円/5ライセンス432,000円/10ライセンス720,000円/20ライセンス960,000円 | 保守・サポートは別途 | 経理3名以上が社内ネットワークで同時入力する |
| 弥生会計 26 ネットワーク(SQL Server付き) | 3ライセンス361,000円/10ライセンス954,000円/20ライセンス1,428,000円 | 同上 | サーバー側のライセンスも合わせて用意する |
※メーカー希望小売価格・税抜(2026年8月13日確認)。ネットワーク製品の購入は問い合わせ対応です。
金額の桁が違うので、単純比較ではクラウドが安く見えます。実際の判断軸は次の2つです。
1つは、費用の形です。ネットワーク製品は初期に数十万円を払って資産として持つ形、クラウドは毎月払い続ける形です。5名でクラウドを使う場合、たとえば弥生会計 Next ベーシック(50,400円/年)+会計ユーザー2名追加(300円/名・月=7,200円/年)で年間57,600円です。10年で576,000円になり、ネットワーク5ライセンス(432,000円)を超えます。ただしクラウド側は法改正対応・機能追加が価格に含まれるため、単純な累計比較では判断を誤ります。
2つめは、ネットワーク環境を自社で維持できるかです。サーバー・SQL Server・バックアップ・拠点間の接続を自社または外部業者で面倒を見る必要があります。情報システム担当がいない法人では、ここが実質的な除外条件になります。
拠点が分かれていて回線が細い、あるいは在宅で入力する人がいるなら、クラウド側で人数を足すほうが実務は回ります。「同時入力」と「複数拠点」を区別することが、この判断のコツです。同時に画面を開くのが2名までなら、デスクトップの2ユーザー版(115,500円)で足りることもあります。
経理体制別のおすすめ構成(4類型)
類型1: 社長ひとり(役員のみ・記帳も社長)
最安はマネーフォワードのひとり法人プラン(29,760円/年)ですが、年間500件の仕訳上限とユーザー1名限定の条件があります。取引が多い、または人を増やす予定があるなら、上限の記載がない freee ひとり法人(35,760円/年)か、3名まで使える弥生会計 Next エントリー(34,800円/年)のほうが安全です。差額は年6,000円前後で、プラン変更の手間より小さい可能性があります。記帳そのものを外に出す判断もあります(一人社長の経理を外注する方法)。
類型2: 社長+パート1〜2名(経理専任なし)
3名枠に収まるので、弥生会計 Next エントリー(34,800円/年)が最安の成立ラインです。ただし入力する人が簿記に不慣れで、電話で聞きたいなら freee スターター(65,760円/年)へ。仕訳相談まで欲しいなら弥生会計 Next ベーシックプラス(84,000円/年)です。年間3万〜5万円の差は、月1回の問い合わせが解決するかどうかで十分回収できます。
類型3: 経理担当1名+経費精算が発生(従業員5〜20名)
ここは経費精算を使う人数で総額が変わります。freee は経費精算だけ使う従業員のアカウントが0円(申請・承認した人だけ1人300円/月の従量課金)、弥生はベーシックで3名まで無料・4名目から400円/名、マネーフォワードはアカウント数の枠内で扱います。従業員10名が毎月経費を申請する体制なら、freee スターター(65,760円/年+従量課金)と弥生ベーシック(50,400円/年+400円×7名=33,600円/年)を実際の人数で計算して比べてください。経費精算だけを別サービスにする選択肢もあります(インボイス対応の経費精算システム比較)。
類型4: 経理2名以上・部門別に集計(従業員30名以上)
部門の持ち方で分かれます。部門数を増やしたいならマネーフォワード ビジネスプラン(77,760円/年・部門無制限)、階層を深く持ちたいなら弥生会計 Next ベーシック以上(10階層まで)、切り口を変えたレポートを出したいなら freee スタンダード(107,760円/年・カスタムレポート)です。同時入力が3名以上で社内ネットワーク中心なら、前章のネットワーク製品も検討対象に入ります。51名以上・内部統制・上場準備の段階では、マネーフォワード クラウド会計Plus や freee のエンタープライズ向け区分=見積もり案件になります。
記帳の担い手そのものが足りない場合は、ソフトの選定と並行して外注も比較してください(記帳代行サービス比較【中小企業】、AI経理代行サービス比較)。
選ぶ前に確認する5項目(申込直前チェック)
- 2年目以降に払う金額を確認したか。 3社とも初年度のキャンペーンや割引の表示があります。マネーフォワードは2026年10月31日までのギフトカード還元、弥生は「キャンペーン適用で最大○円分お得」の表記があり、キャンペーン終了後の扱いは料金ページに書かれていません。年払いの更新額を申込前に問い合わせてください。
- 顧問税理士が対応できる製品か。 税理士側が特定製品前提の場合、乗り換えると税理士の作業が増えます。弥生は会計事務所とのデータ共有と達人シリーズ連携が全プランに入っています。先に税理士へ確認するのが最短です。
- 消費税の申告書を誰が作るか。 マネーフォワードは消費税申告書の作成がビジネスプランのみです。自社で作るなら、プラン選定の前提条件になります。
- 1年後のログイン人数を数えたか。 マネーフォワードのスモールビジネスはアカウント追加ができません。3名を超える見込みなら、最初からビジネスプランで見積もるか、追加できる他社を選びます。
- 無料期間で何を確認するか決めたか。 freee は30日間、マネーフォワードは1か月(ビジネスプラン相当)、弥生は最大2か月(ただし決算書の作成・出力と電話サポート・仕訳相談は対象外)。同じ1か月分の実データを入れて、月次を締めるまでの時間を測るのが唯一の実効的な比較方法です。
向いていないケース(除外型)
freee が向かないのは、顧問税理士が弥生前提で仕訳データのやり取りを固定している場合、そして仕訳帳の形で1件ずつ確認したい経理担当がいる場合です。取引ベースの入力設計が、既存の確認手順と噛み合いません。ひとり法人プランについては、請求書の一括送付・経費精算・電話サポートがないため、役員1名かつ請求が月数枚という条件を外れたら候補になりません。
マネーフォワードが向かないのは、3名を超える見込みがあるのにスモールビジネスの価格で予算を組んでいる場合、そして消費税申告書を自社で作りたいのにビジネスプランの予算がない場合です。加えて、ひとり法人プランは年500件の仕訳上限があるため、明細の自動取込を多用する法人は初年度で上限に当たる可能性があります。
弥生が向かないのは、電話サポートを前提にしながら予算がベーシック(50,400円/年)までの場合です。電話と仕訳相談はベーシックプラス(84,000円/年)のみで、この条件では freee スターター(65,760円/年)のほうが安く電話に届きます。
3社いずれも向かないのは、そもそも入力する人が社内にいない場合です。ソフトを契約しても入力が溜まるだけなので、記帳代行や経理代行との比較から始めてください(経理代行の料金相場)。また、上場準備で監査法人から内部統制の要件が具体的に出ている場合は、価格表のあるプランではなく見積もり前提の製品(マネーフォワード クラウド会計Plus 等)から検討するのが順序です。
FAQ
Q. 従業員数と会計ソフトのプランは、どう対応させればいいですか。
A. 従業員数ではなく会計ソフトにログインする人数で対応させます。従業員20名でも、会計画面を開くのが社長と経理1名なら2名です。経費精算や請求書だけを使う人は、freee では0円の「一般従業員相当」、弥生では経費精算のユーザー枠で数えます。
Q. 最初は安いプランで始めて、後から上げても大丈夫ですか。
A. 3社ともプラン変更はできますが、マネーフォワードのスモールビジネスはアカウント追加ができないため、人が増えると変更が強制されます。また弥生の無料体験からの移行時は、利用状況によって従量課金の制限数を超えると契約変更月から従量課金が発生すると公式に注記されています。上げる前提なら、上げた後の金額で予算を作っておくのが安全です。
Q. 部門別に損益を見たい場合、どれを選べばいいですか。
A. 部門の数を増やしたいならマネーフォワード ビジネスプラン(部門登録無制限・2階層)、階層を深く持ちたいなら弥生会計 Next のベーシック以上(10階層まで)です。マネーフォワードのひとり法人・スモールビジネスは2部門・1階層までなので、部門管理が目的ならこの2プランは外れます。
Q. 電子帳簿保存法への対応は、どのプランでも同じですか。
A. 同じではありません。マネーフォワードは電子取引と書類保存への対応は3プラン共通ですが、優良電子帳簿への対応はビジネスプランのみです(公式のプラン詳細表)。freee はインボイス制度・電子帳簿保存法対応が3プランに記載されています。要件の詳細と自社が満たすべき範囲は国税庁の公表内容と顧問税理士の判断で確認してください。
Q. 電話で聞ける体制がほしい場合、最も安いのはどれですか。
A. 2026年8月13日時点の公式価格では、freee スターター(65,760円/年)です。弥生は電話サポートがベーシックプラス(84,000円/年)のみ、マネーフォワードの電話サポートは会員登録から2か月間・事前予約制(10:00〜17:00)という期間限定の位置づけです。
Q. 経理担当が3名で同時に入力します。クラウドで足りますか。
A. 足ります。3社とも3名までは基本料金の範囲です(freee はスターター以上、マネーフォワードは3プランともアカウント3名、弥生は会計3名)。同時に入力してもクラウドなら排他制御はソフト側が処理します。ネットワーク製品を検討するのは、社内ネットワーク中心の運用で、買い切り型を望む場合に限られます。
Q. 途中で製品を乗り換えると、過去のデータはどうなりますか。
A. 各社に仕訳データのインポート・エクスポート機能がありますが、勘定科目や補助科目の対応付け、期首残高の扱い、証憑の引き継ぎ範囲は製品ごとに異なります。乗り換えは期首(新年度の開始月)に合わせるのが原則です。準備物の一覧は別記事で扱います。
まとめ
法人向けの会計ソフト選びは、製品比較より前にログイン人数・経理体制・部門集計の3条件を確定させたほうが早く終わります。3条件が決まれば、候補は自動的に絞られます。
- 3名以内・部門なし・サポートはチャットで足りる → 弥生会計 Next エントリー(34,800円/年)
- 入力者が簿記に不慣れで電話で聞きたい → freee スターター(65,760円/年)
- 消費税申告書を自社で作る/部門を無制限に持ちたい → マネーフォワード ビジネスプラン(77,760円/年)
- 仕訳相談まで含めた手厚いサポートが要る → 弥生会計 Next ベーシックプラス(84,000円/年)
- 経理3名以上が社内ネットワークで同時入力する → 弥生会計 26 ネットワーク(3ライセンス288,000円〜)
- 51名以上・内部統制や上場準備 → マネーフォワード クラウド会計Plus 等の見積もり案件
最後に必ず通してほしいのは2つです。同じ1か月分の実データを2製品に入れて締めるまでの時間を測ること、そして2年目に払う金額を問い合わせて確定させること。この2つを飛ばすと、価格表では安かった製品が翌年に逆転します。
製品を横断してもう一度見比べるならクラウド会計ソフト比較【中小企業】、2社に絞った後はfreeeと弥生の違い・マネーフォワードと弥生の違いへ進んでください。


コメント